Glass Design from Finland, the Land of Forests and Lakes

2012.12.17

サントリー美術館で開催中の「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展に行ってきた。
18世紀後半から現代に至るフィンランドのガラス作品にフォーカスをあてた展覧会である。

フィンランドに最初のガラス工房ができたのは1681年。ちなみに日本では徳川綱吉が5代将軍となった頃(1680年)である。フィンランドではこの頃からすでに使いやすくシンプルな日用品としてのガラス製品が登場している。本展では18世紀後半から現代に至るガラス作品約150件を中心に、18世紀後半~1920年代 黎明期、1930年代 躍進期、1950年代 黄金期、1960・70年代 転換期、フィンランド・ガラスの今 Art&Life、という5章にわたる展示構成で、フィンランド・デザインの魅力を紹介している。

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入口のインスタレーション 。幾重にも重なった薄布にオーロラや雪が降る映像を投影している

日本でも人気の高い、アルヴァル・アールトやカイ・フランクの古い作品が見られるのも楽しみのひとつだ。他にもタビオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルバネヴァ、オイヴァ・トイッカなどの美しく、繊細な作品を近くで堪能することができる。
「アールトの花瓶」は湖の形をモチーフにしたと言われているように、彼らを取り巻くフィンランドの美しい自然は作品の形となり、それぞれの作品の色使いは、自然から感じ取ったものなのだろうと思わせる。

本展では現在もイッタラ社で製造されている作品(当時のもの)も展示されているが、普段売り場で目にするいくつも重ねられた量産品も、こうして1点ずつ淡い照明があてられ展示されていると、売り物としての「器」ではなく、あらためて「作品」として見入ってしまった。

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3階吹き抜けスペース イッタラ社のバードシリーズ

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出口付近のバードシリーズ

使いやすさと美しさの双方を備えた、フィンランド・デザイン。
この機会に足を運んでみてはいかがだろう。
会場:サントリー美術館
開催期間:2012年11月21日(水)~2013年1月20日(日)
*この後、4月から大阪、10月から札幌でも巡回